遠山の霜月祭りが開幕

文化・芸能

[ 2014年 12月 3日 水曜日 9時54分 ]

 飯田市上村、南信濃に伝わる国重要無形民俗文化財の「遠山の霜月祭り」が1日、南信濃八日市場の日月神社を皮切りに幕を開けた。氏子と多数の観光客が夜遅くまで湯釜を囲み、生命の再生を祈る湯立て神楽を興じた。15日の南信濃八重河内、正八幡神社まで、ことしは9社で繰り広げる。

 八百万(やおよろず)の神々を招き、願い事をするための神事を行った後、正午過ぎから湯立てを開始。2つの釜を囲み、男性たちが次々と装束舞を重ねた。

 湯が煮えたぎった午後10時過ぎ、「火の王」と呼ばれる祭りの主役、大天狗が登場した。ヨーセの掛け声に乗って釜に素手を入れ、邪気を払うように湯を切ると、詰め掛けた氏子衆や見物客が歓声を上げた。

 続いて同社が祭る日月大神の黄金の面(おもて)や伝統のキツネなど、25に及ぶ多彩な面(おもて)を着けた神々が姿を現し、笛や太鼓のはやしに合わせて舞った。

 遠山郷と交流を続けている飯田市立浜井場小学校の5年生28人も練習を重ねた笛や太鼓で祭囃子を担った。男子児童の1人(11)は「夜になったら大勢が集まって盛り上がり、迫力がすごい」と興奮した様子。笛を吹き、氏子と一緒になって飛び跳ね、掛け声を上げていた。

 中国からの団体客の姿もあった。

 鎌倉時代に伝えられた宮廷の湯立て神楽に、遠山郷を支配した領主、遠山土佐守一族の死霊を慰める鎮魂の儀式が後に伝わり、独自の形式で伝承されている。「霜月」の名称は陰暦11月に行われることに由来しており、最も日照時間が短くなる時期に祈りを捧げることで、「万物に再び生命力がよみがえる」と信じられている。

 火の王に扮した神職「禰宜(ねぎ)」の瀧浪政司さんは「心配した雨もあがり、大勢の氏子や浜井場小の児童、海外からの観光客も迎え、良い大祭ができた」と話していた。

  

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