大鹿村観光協会は13日、電動アシスト自転車の試乗会を村内で開いた。村の観光関係者7人が参加。青空の下、風を切って自転車を走らせて魅力を体験し、自転車を絡めた観光の可能性を考えた。
観光協会は、県の「地域発 元気づり支援金」を活用して3年前にレンタルサイクル事業を開始。道の駅「歌舞伎の里大鹿」にサイクルステーションを開設し、電動アシスト自転車を貸し出している。
利用者の多くは村を訪れる観光客。ただ、新型コロナウイルス感染拡大の影響もあり、利用者数は伸び悩んでいるという。試乗会は、事業の活性化に各事業所が何ができるかを検討してもらおうと村の観光関係者向けに企画した。
この日は午後1時過ぎに道の駅を出発して村内を散策。約18キロ、高低差200メートルの道のりをゆっくりと2時間かけて自転車で走った。アシストの性能を確認するために坂道を上って重要文化財の松下家住宅に立ち寄ったり、直売所でサイクリング中に楽しめる軽食を試食したりした。
村内で飲食店を開業予定の松澤莉央さん(29)=鹿塩=は「自転車には久しぶりに乗ったが、アシストのおかげで坂道もちょっと頑張れば上ることができ、いい疲労感と達成感がある」と笑顔。地域おこし協力隊の廣庭みのりさん(47)は「自然を見ながら風を感じて走ることができ、車で村を回るよりも遥かに楽しい。走っている最中に栄養補給できる商品があっても面白いのではないか」と語った。
村観光協会の平瀬定雄会長は「まだ利用は少ないが格安でレンタルを行っており、気軽に利用できる」と強調。「各施設や店舗が、自転車に絡めたどんな商品・サービスを提供できるか、いろんな切り口で事業が発展していくことを期待したい」と話していた。
◎写真説明:自転車に試乗した観光関係者(大鹿村で)