天龍村は11日、村内のJR飯田線伊那小沢駅周辺に植わるカンザクラの開花を宣言した。昨年より1カ月以上遅い宣言となり、2月から観察を続けた村振興課職員は「ようやく咲いてくれた」と安堵し、「コロナ禍ではあるが、待ちわびた桜を眺め、心を和ませてもらえたら」と話した。
1936(昭和11)年、三信鉄道の伊那小沢駅開業を記念して3本のカンザクラが植樹され、以降も河津桜やヤマザクラ、シダレサクラなどが順次植えられた。現在では2月下旬から4月上旬まで異なる種類の桜を楽しむことのできる名所として知られ、毎年多くのカメラマンらが足を運ぶ。
例年はカンザクラが最も早く開花するが、今年は河津桜の開花が一足早く進んでいる。カンザクラは数輪程度の開花だが、河津桜は八重咲きでピンクの色彩が濃い花が一部ではあるものの咲き広がり、電車や地域住民らを迎えている。
同課はカンザクラの見頃を3月下旬と予想する。過去10年で最も早い開花は昨年の2月5日、最も遅い開花は2014年の3月17日。
◎写真説明:飯田線を迎える河津桜