天龍村の国道418号的瀬―早木戸間で2020年1月に発生した大規模なのり面崩落に伴う通行止め解消のため、新設工事が行われている神原トンネル(仮称、延長762メートル)が17日、貫通した。施工業者、発注者の県下伊那南部建設事務所、村関係者らが貫通の瞬間に立ち合い、喜びを共有した。
同トンネルは車道幅員3メートルの2車線で、両側の路肩0・5メートルを含めた全幅は7・0メートル。落石や崩落の多発区間を避け、人家などへの影響が少ない最短ルートで崩落箇所を回避し、起点(的瀬)側の坑口は日代沢橋東側、終点(早木戸)側坑口はゲストハウス満月屋の北側とした。
昨年6月に起点側から掘削を開始。ダイナマイトによる発破、ずり出し、コンクリート吹付、ロックボルト打設などの工程を24時間態勢で1日に5回程度繰り返し、掘り進めてきた。
この日は、重機で岩盤を掘るとほどなく穴が開き、外の光がトンネル内に差し込んだ。作業を見守った関係者らは万歳で工事の節目を祝うとともに、完成、開通に向け、今後も順調に工事が進むことを願った。立ち会った永嶺誠一村長は、「村の未来に希望の光が降り注いだ瞬間」と喜び、早期の開通に期待を寄せた。
同事務所によると、今後コンクリート覆工や舗装、照明の設置、両坑口の取り付け道路整備などを経て開通に至る。開通時期は未定。
同事務所整備課の鈴木卓也課長は「事故無く貫通の日を迎えることができうれしい。トンネルが開通することで現在の迂回路利用からは、利便性、安全性、走行性が大きく増す。残る工事も引き続き安全に進めながら、早期の開通を目指したい」とした。
◎写真説明:貫通を万歳で喜ぶ関係者ら(写真提供・下伊那南部建設事務所)