中部地方整備局浜松河川国道事務所と浜松市は15日、三遠南信道(延長約100キロ)で最後の未着工区間となっている水窪佐久間道路(浜松市天竜区水窪町―佐久間町、14・4キロ)の中心くい打ち式を佐久間町内で開いた。関係者約70人が出席し、事業の本格化を周知した。
水窪佐久間道路は2019年4月に新規事業化し、これまでは道路設計や用地調査、地質調査を進めてきた。本年度から用地買収に着手する。
区間は急しゅんな地形のため、92%がトンネル(80%)と橋(12%)で構成され、事業費は約900億円。
中心くい打ち式には地元選出の国会議員、県議、浜松市の議会や経済団体、自治会の関係者らが出席。ステージ上で中心くい打ちのセレモニーを行った。
主催者を代表してあいさつした鈴木康友市長は「三遠南信道はますます重要性を増している三遠南信連携の骨格。国直轄による整備を長く要望してきた水窪佐久間道路の中心くい打ち式は大きな一歩であり、感慨深い」と述べ、関係者に感謝した。
2020年7月の土砂災害で南北軸の国道152号と県道が100日以上にわたって通行止めになり、三遠南信道が迂回路として機能したことにも触れ「経済に加え、防災や救急に果たす役割も大きい。引き続き関係者と力を合わせ、一日も早い開通を目指したい」と語った。
式に出席した水窪地区自治会連合会の河合宏会長(67)は「高校時代は電車で阿南高に通ったので、信州には親しみがあり、三遠南信道には非常に期待している。順調に工事が進む青崩峠トンネルの開通後は、飯田と付き合いが深まる」と早期開通に期待した。
◎写真説明:中心くい打ち式を行う関係者(浜松市天竜区佐久間町で)