飯田市橋南地区では唯一のスーパーだったキラヤ本町店が3月31日、閉店した。店内全商品が2割引きとなった30日から多くの人が地区内外から訪れ、最後の買い物をしながら店とスタッフとの別れを惜しんだ。
30日は朝からにぎわい、多くの陳列棚から商品がなくなった。レジ前には買い物かごを下げた人の列ができ、スタッフが対応に追われた。
31日は生鮮食品と総菜を追加して対応し、売り切れと同時に閉店することにした。来店客は会計の合間に顔馴染みの店員と「お世話になりました」「お元気で」「新しい配属店は」などと言葉を交わしていた。
地区内に住む80代の夫婦は「明日から歩いて行けるスーパーがなくなり、困っちゃう」、橋北地区の80代男性は「この店はよく利用してきたから残念だ」と話した。
本町店は、同社が橋南地区の再開発に関わった縁で、トップヒルズ本町ビルがオープンした2001年11月にオープンした。
店単体では赤字だったが、地元資本スーパーによる地域貢献として、他店の黒字で補うことで営業を続け、昨年11月の20年契約満了を節目に閉店を決めた。現状回復工事は4月末までに終え、退去する。
同社は閉店後の買い物支援策として、市街地を対象エリアとする宅配業務を4月中旬から始める。
注文は毎週火曜と水曜の午前9時から午後1時まで電話で受け付け、同じ日の正午から午後5時までに黒田店から委託業者が届ける。
配送料は一律330円(税込み)。全店共通のチラシをもとに1品から受注し、数量などの細かい要望にも対応する予定。支払いは現金のみ。
◎写真説明:品薄になった最終日午前の店内