飯田商工会議所(原勉会頭)の新春賀詞交歓会が6日に開かれ、企業や行政の関係者が地域経済の活性化に向けて力の結集を誓い合った。飯田市内で開き、会議所議員や国、県会議員、行政関係者ら約100人が出席。国内外の政治・経済の情勢や景気動向などの情報を共有した。コロナ禍や円安、物価高などの行方を懸念する一方、リニア開業を見据えた期待の声も挙がった。
鏡割りに続き、参加者たちは経済談義を繰り広げた。異業種間で情報交換し、地域づくりへの思いなども語り合った。
信州ガスの小林栄次社長は、一年間で原料費が10~15%上がったとし、「世界情勢を見ても今後の状況は読めない。まずはコロナが収束して地域経済が活性化してほしい」と話した。
夏目光学の本田英則専務は「昨年は半導体関係で追い風だったが、何が起こるか分からない時代。材料費などが安定して推移してくれたら」とした。
シルクホテル中田製絲の中田真司専務は「県外からの宿泊は戻りつつあるが、地元の人々の宴会は依然として少ないまま。コロナ後、リニア開業後に向けて準備を進める必要がある」と語った。
冒頭あいさつで原会頭は「コロナの影響に加えて円安、原材料費の高止まり、電気・ガス料金の上昇などで、地方の中小企業は厳しい状況」と現状を指摘。DXやマイナンバーカードの可能性に触れ、「地域の魅力を生かし、業種の垣根を越えて事業に取り組む」と力を込めた。
来賓代表であいさつした飯田市の佐藤健市長は「リニアと三遠南信道開通に向け、産業界と協力して住みやすいまちを目指す」と語り、りんご並木70周年、飯田動物園70周年、飯田駅100周年の節目にも触れた。
◎写真説明:賀詞交歓会であいさつする原会頭