JAみなみ信州(寺沢寿男組合長)は26日、市飯田文化会館で第25回通常総代会を開いた。2021年度は前年度比67・8%増となる1億9176万円の事業利益を確保。コロナ禍によりサービス提供で制約を受けたものの、施設費や人件費などの事業管理費を大幅に圧縮し、2年連続の増額とした。
総代会では、事業報告や事業計画、新たな3カ年計画、任期満了に伴う役員の選任など8議案を上程した。寺沢組合長は冒頭、「ブランド戦略や直販事業は着実に成果を上げた。将来を見据え、組合員と向き合って取り組んでいく」とあいさつした。
事業報告によると、農畜産物販売事業の取扱額は5・7%増の150億1303万円。気候に恵まれて果樹の販売額が大きく伸びた。コメは不作、野菜は価格下落により販売額を落としたものの、畜産と花きの販売額は前年度を上回った。
購買事業は、飼料と燃料価格の高騰で、生産購買品、生活購買品の供給高がともに前年度より増加。
信用事業は、農業融資と住宅資金の相談機能強化に取り組み、貯金残高3154億256万円、預金残高2394億7436万円でともに前年度を上回った。
共済事業は、アフターフォロー活動やデジタル技術による非対面営業を行った。長期共済保有高は8216億7556万円で同5・2%減。
本年度は、産地の維持・拡大のため、▽最需要期に対応した生産▽果菜類やブドウの施設化推進▽指導体制の充実による担い手の確保―などに取り組む。販売では、個人向けの少量目商品のカタログ・ネット販売、直売所・直販事業などに力を入れる。
24年度までの3カ年計画では2つの基本目標を設定。「農業所得増大への挑戦」では、生産基盤の強化や事業の効率化、販売力強化などを重点施策に盛り込んだ。「自己改革による組織・経営基盤の確立」に向けては、組合員メンバーシップの強化、経営管理の変革などに取り組む。
8議案の他、悪化する食料事情改善のため県内JA共同の緊急決議を行った。原油高による食料価格高騰や自然災害の多発化、新興国の食料需要の増加などにより食料需給の逼迫(ひっぱく)や高騰が懸念されるとし、国と県に対して原油高騰の対策、生産コストの販売価格転嫁の実現、食料安全保障の確立などを求める。
◎写真説明:JAみなみ信州が通常総代会