飯田下伊那地域のマツタケの産地で収穫が本格化しており、豊丘村役場に隣接する飯伊森林組合北部支所併設の直売所でマツタケの販売が行われている。先月の長雨の後、マツタケの生育に適した気候が続いたことで入荷は非常に順調といい、関係者は「この状況が続いてくれれば」と2年ぶりの豊作に期待感を高めている。
同所での初入荷は、例年より10日以上早い8月末で、今月10日に直売所をオープン。豊丘村を中心に松川、高森、喬木の近隣町村の農家から1日平均300キロのマツタケの持ち込みがあり、多い日は500キロほどにもなるという。
2019年は記録的な不作で、20年も例年以下の収穫量だったが、今年は「既に昨シーズンの取扱量を超えている」と金原史人支所長。「まだサイズは小さめだが、これから大きいのがどんどん出てくるのでは。このまま順調な状況が続いてほしい」と話した。
21日は午前9時の開店直後からマツタケを買い求める客が列を作り、昼ごろまで途切れなかった。飯田市から訪れた70代女性は「毎年買いに来ているが、豊作のおかげか値段は安めだった。マツタケご飯やお吸い物、土瓶蒸しにして楽しみたい」と笑顔だった。
直売所の営業は午前9時から午後3時半まで。シーズン中は無休。新型コロナウイルス感染防止のため、マスク着用などの基本的な感染防止対策の他、「午後も営業しているので極力列を作らないで」などと来場者に呼び掛けている。
◎写真説明:マツタケを販売する直売所