飯田上久堅・喬木富田―喬木インター間で工事を進めている三遠南信道飯喬道路3工区のうち、「11号トンネル」(延長137メートル)の完成式が1日、現地で開かれた。施工者の不動テトラが主催し、同工区の建設促進期成同盟会を構成する飯田市や喬木村の関係者ら計約50人が出席。初のトンネル完成を祝った。
喬木村の矢筈トンネル手前に位置する同トンネルの掘削工事は昨年9月に着手。9本の橋りょうと11本のトンネルが建設される同区間で初の掘削工事となった。
発破掘削した部分を素早く吹き付けコンクリートで固め、ロックボルトを岩盤奥深くまで打ち込んで保持力を確保し進めていく工法で、同12月に先導坑が貫通。片側しか進入路がないため、重機が通ることのできる最小限の先進導坑を貫通させ、坑口付近の作業ヤードを整備した後に本格掘削し、先月2日に完成した。トンネルの幅は11メートル。
この日の式典で、事業主である中部地方整備局の大儀健一道路部長は「3工区は非常に厳しく険しい地形条件の中を11本のトンネルで貫く」と強調。「安全な施工を最優先に、早期の全線開通を目指して事業を進めていく」と述べた。
喬木村の市瀬直史村長は「三遠南信道の開通はこの地域の長年の悲願。全線開通がかなえば東三河、遠州、南信州が有機的に結びつき、全国屈指の経済圏を形成することが可能になる」と期待。飯田市の佐藤健市長は「物流がある分、リニア以上の非常に大きな経済効果を生むことを期待している。この地域を挙げて完成に向けた要望活動をしていきたい」と話し、事業促進への協力を呼び掛けた。
くす玉割りでトンネルの完成を祝った後は、喬木第二小学校の3~6年生21人が銀嶺太鼓の演奏を披露。構内の見学の時間も設けられた。
同事務所によると、橋りょうは9号橋を除いて着手済みで、3号橋と6号橋は本年度に行う上部工事を発注予定。トンネルは11号を除いて未着手だが、6号は本年度の着工を予定している。
◎写真説明:くす玉割りで11号トンネルの完成を祝った