飯田下伊那地域でモモの出荷が始まり、JAみなみ信州は4日、松川町大島の松川インター選果場で選果のスタートを切った。JAによると、天候不順や病害虫の被害は少なく、玉伸び、色づきともに順調で、糖度も高いという。今年は約878トン(前年比98%)の出荷を見込んでいる。
開花時期は昨年より10日遅かったものの、4月以降の気温上昇で生育が進み、2日遅れの初選果となった。
この日は飯田市、高森町、豊丘村、喬木村から早生(わせ)種の「日川白鳳(ひかわはくほう)」「赤宝(せきほう)」「たまき」の計約800キロが持ち込まれ、15人ほどが選果作業に当たった。手に取って大きさや形を確認し、選果機のトレーに載せていった。選果後は箱に積め、名古屋と大阪に発送した。
飯伊の主力品種「あかつき」「白鳳」といった中生種は20日ごろに選果が始まる予定。8月10日ごろから晩生種の「川中島白桃」へと移っていく。中京や関西、九州に向けて出荷する他、自治体のふるさと納税の返礼品として全国に発送する。
JA営農部果実柿課の後藤大樹さん(30)は「6月に日照量が確保でき、糖度が高く甘いモモに仕上がった。南信州のモモを味わって」と呼び掛けている。
飯伊では、園地の老朽化や生産者の減による生産量の減少が課題となっており、JAは7月下旬に新規生産者向けの栽培研修会を開く予定だ。
◎写真説明:モモの初選果(松川インター選果場)