10月に入ってから気温が下がったことで、飯田下伊那地域の産地ではマツタケの収穫量が増加している。9月は残暑の影響で不作気味となっていたが、例年より遅れて収穫ピークを迎えそうだ。一方で、気温が下がりすぎていることへの心配の声も聞かれる。
豊丘村の道の駅「南信州とよおかマルシェ」には7日、今シーズン最多の約400パック(約80キロ)が出荷され、店頭にずらりと並んでいた。同村の飯伊森林組合北部支所にも9月を大きく上回る約200キロが持ち込まれた。ともにここ数日で一気に増えたという。
同道の駅では9月10日ごろに初出荷があったが、9月中は高温の日が多く、地温が下がらず生育が伸び悩んだ。豊作だった昨年と比べると、9月の売り上げは5分の1ほどという。
道の駅の片桐明支配人は「ここ数日で一気に増えた。このまま順調に進めば、平年並みの出荷量になる可能性もある」と期待する。
飯田市から出荷している30代の男性は、収穫量増加を喜びながらも、例年なら11月ごろに出始めるシモフリシメジが生えていたといい「気温が下がりすぎているように感じる」と心配の様子。「今後の収穫はまったく読めない。気温が乱高下せず、安定した地温が続くことを祈るしかない」と話していた。
◎写真説明:店頭に並ぶマツタケ(とよおかマルシェで)