下伊那園芸農業協同組合(伊藤俊一組合長)は3日、本年度の市田柿の出荷を振り返る干し柿出荷反省会を開いた。過去10年で最高の販売額だった昨年度と比べると販売額、収量ともに減少したものの、大きな気象災害はなく平年並みの出荷だった。
市田柿の生産者ら約40人が出席。生産状況や販売実績の報告を聞き、4年ぶりに会場に招いた関東圏や静岡の市場関係者から市場動向の説明を受けた。
本年度は春先の低温や6~9月の多雨といった影響で、全体の着果数は平年並みから平年より少なく、大玉傾向だった。出荷数量は12月中旬からピーク入りし、年末年始の需要期が頂点だった。
2月17日出荷精算分までで、183・8トン(前年度比98・8%)の収量を確保し、販売額は4億6900万円(同94・5%)だった。
単価はおおむね平年並みで推移。生産者の高齢化による手間不足から、出荷形態は170グラムパック詰の割合が減少傾向で、1キロ袋詰が増加している。
生産者らは、消費者から入ったクレームもチェックし、課題と来年度の対応を確認。本年度は肥大不良が目立ったとし、対策として「せん定による受光態勢の改善」「排水対策の実施」「追肥施用量の見直し」を挙げた。
伊藤組合長は「生産者の努力、市場関係者の尽力により、当初予想を上回る出荷ができた。消費者の期待に応えられているか、課題は何かを確認し合って来年度に生かしていきたい」と話していた。
◎写真説明:本年度の出荷を振り返り課題を共有した