野生鳥獣の山肉「ジビエ」の消費拡大に向け、県南信州地域振興局は21日、県飯田合同庁舎に勤務する約130人の職員を対象にしたモニター調査を実施した。昼食時に「ジビエ弁当」を販売して感想を聞き、認知度や需要を高めるための方策を尋ねた。消費者の意識調査の位置付けで、普及方法を検討する際の参考にする。
同庁舎内で食堂を運営する葵の協力で弁当を試作。社長で県ジビエマイスターの中塚敏行さん(69)が、いずれもシカ肉を素材にした春巻き、生姜焼き、竜田揚げ、南蛮そば、カレーをパッケージした。
昼食時間の前に「おいしい記者会」を開き、報道陣に弁当をお披露目した。
中塚さんは牛乳を使って血を抜き、しょう油や塩のこうじとヨーグルトで漬け込んで臭みを取り、旨味を凝縮させた。
「シカ肉は火を通すと硬くなるため、漬けて煮込む調理法がお勧め」とPRした。
希望した職員130人に900円で販売し、林務課がアンケート調査を実施。メニューごとの評価や食堂でジビエ料理を提供した場合の価格、ジビエに対するイメージ、消費拡大につながる方策などを聞いた。
振興局は22日に同庁舎で開く「南信州 元気な森フェスタ」でもジビエ試食会を計画している。午後0時半から3階の講堂などで行う。
土屋智則局長は「流通などの課題もあるが、まずは地元の人に食べてもらうことが大切。そこから地域外への売り込みも考えていきたい」と話していた。
◎写真説明:試作された「ジビエ弁当」