天竜川の冬の風物詩「暖房こたつ舟」の運行が1日、天竜舟下り(弁天港―時又港約6キロ)と天竜ライン下り(天龍峡温泉港―唐笠港約10キロ)で始まった。2月末まで毎日運航する。
飯田市松尾新井の天竜舟下り(杉本忠社長)は初日午前11時、京都や滋賀から訪れた観光客約20人を乗せた2艘のこたつ舟が出航した。
暖房こたつ舟は、冷たいしぶきや風が舟に飛び込まないよう全長約12メートルの客席部分を透明のアクリル板で覆い、足下に縦長の豆炭こたつを置いて暖を取りながら川下りを楽しむことができる。
同社の木下明総務部長(52)によると、近年人気のヘブンスそのはら(阿智村)「日本一の星空ナイトツアー」の影響もあって夏場の観光客は増加傾向にあるといい、12~2月末までの冬期は約5000人の利用を見込んでいる。
青空が広がったこの日、ツアー客らが弁天港から時又港までの35分間の乗船時間で南信州の自然を満喫した。滋賀県東近江市から訪れた男性(67)は20年ほど前の夏場に舟下りを経験していて「冬は初めて。紅葉も含め舟から見える景色を楽しみたい」と話した。
木下総務部長によると、近年は冬場も気温が高くなる日が増えていて、オールアクリル板の舟だと室内が蒸して窓を開ける乗船客もいることから、アクリル板を小型にして屋外にも出られる新型の舟の開発を進めているという。