小渋ダム、土砂バイパストンネル完成

南信州経済

[ 2016年 11月 23日 水曜日 13時44分 ]

試験放流を見守る参加者ら

 国土交通省天竜川ダム統合管理事務所は19日、上伊那郡中川村と松川町にまたがる小渋ダムに新設した土砂バイパストンネル(約4キロ)の完成式典を、ダム下流左岸のバイパストンネル吐口(はきぐち)(松川町生田)で開いた。国や県、周辺市町村や地元住民、施工業者ら60人余りが参加。地域の安心安全を守る施設の完成を祝うとともに、適切な運用を誓った。

 バイパストンネルは、取水口にあたる小渋ダム上流の呑口(のみぐち)(大鹿村桶谷)と吐口をほぼ直線で結ぶ。大雨時など、大量の土砂を含んだ洪水をダム貯水池を経由せずにトンネルでダム下流に流すことで、ダム貯水池の堆砂進行を抑制するとともに、下流河床の粒度分布を改善する。

 最大流量は毎秒370トン。本格運用は2019年4月からを予定する。

 小渋ダムは、1961(昭和36)年に発生した「三六災害」の教訓を生かして計画され、洪水調整やかんがい、発電などを目的に63年度に着工、69年度に完成した。

 以来の運用により、上流からの多量の土砂流入によって、貯水池の堆積が進み湖沼は年々上昇。たまった土砂を排出してきたものの堆砂率は上がりつづけ、「ダム機能が維持できない恐れがある」と、09(平成21)年、バイパストンネル工事に着手していた。総事業費は約144億円。

 15年時の堆砂率は89%となっており、このまま堆砂が進行すると15年後には100%になることが予測されたが、バイパスの運用により、約60年延命できるという。

 式典であいさつに立った国交省中部地方整備局の塚原浩一局長は「バイパストンネルの運用により、ダムの本来の機能が持続的に発揮され、小渋川の豊かな自然を守ることができる。そのことが、地域の安心な安全を守るとともに、地域振興の一助にもなれば」と話した。

  

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