飯田下伊那地域の特産「竜峡小梅」の出荷が本格化し、生産者らが豊丘村のJAみなみ信州総合集荷販売センターに運び込んでいる。本年度は前年度実績を約20トン上回る273トンの出荷を見込んでいる。
営農部販売課によると今年の初出荷は13日。3月中下旬の気温上昇で、昨年より10日ほど早くなった。果実の生育は順調で、今月下旬にもピークを迎えるという。
飯伊はかつて国内有数の小梅の産地として知られ、2000年ごろまでは年間約2000トンを出荷していた。
海外産の流入などによる価格暴落と生産者の高齢化、担い手不足により、出荷量が減少。13年ごろまで400トンを維持してきたが、老木化なども進んでさらに減っている。
同村で竜峡小梅を栽培する平晋さん(75)は「今年は数量も多く、質の高い梅ができた。収穫時期が短いので天候が心配だが、頑張って収穫したい」と語った。
同課の遠山実担当は「地元特産の小梅を大勢に食べてもらえるよう、消費宣伝や梅漬け講習会などにも力を入れたい」と話した。