オーストラリア、デンマーク、米国、スペイン、ノルウェーの醸造所と上伊那を含む南信州地域の5醸造所がつながり、将来のコラボレーション醸造を目指すプロジェクト「グローバル・サイダー・コネクトin南信州」のキックオフミーティングが23日、飯田市座光寺のエス・バードであった。
シードルを旅の目的にしようと、2019年度に始まった「南信州シードルツーリズム事業」の2年目の取り組みで、国際的に知られるシードルの専門誌「インサイダージャパン」とともに企画。南信州と海外醸造所の特性を踏まえてマッチングし、双方のニーズにかなった5つのペアをつくった。
当初は海外醸造所をモニターとする下見招待旅行とコラボレーション醸造を計画していたが、新型コロナウイルス感染症の世界的な流行で来日は実現しなかった。
しかし南信州、5カ国の醸造家の意欲が強いことから、本年度はオンライン交流を行い、のちのコラボレーション醸造を目指すことになった。
キックオフミーティングは同推進事業の本年度第1回研究集会に合わせて開き、海外5醸造所から寄せられた字幕付きの映像メッセージを鑑賞してから、ペアになった醸造所の代表者が目標などを発表した。
松川町のVINVIE(ヴァンヴィ、竹村暢子社長)は、昨年の「ナガノシードルコレクションin飯田」に参加したオーストラリアのウィリースミス・サイダーメーカーズと組んだ。
VINVIE取締役の竹村剛さんは「この地に暮らすことを誇りに思うきっかけにしたい。シードルの未来は明るい。みんなで頑張りたい」と抱負を語った。
アメリカンスタイルを貫く下條村のファームアンドサイダリーカネシゲは、米国のブレークス・ハードサイダーと組んだ。櫻井隼人さんは「自分たちの技術とリンゴが世界のどんな位置にいるのか確認する機会になれば」と話した。
海外の醸造家からは「才能のある生産者と聞いてワクワクしている」「良いうわさしか聞いたことがない。どんなことができるか楽しみ。良いインスピレーションを得たい」といったメッセージが寄せられた。
◎写真説明:まずは映像メッセージで交流(エス・バードで)