泰阜村の泰阜小学校(小林嘉明校長、児童数67人)で開いた終業式では、新型コロナ対策が徹底された。マスクを着用し児童同士の距離を取った他、校歌斉唱は声を出して歌わず、音楽に合わせてのハミングにとどめた。
式で小林校長は「新型コロナによりこれまでに例のない学校生活となったが、みんなよく頑張った」と、例年とは異なる生活様式の中での児童の姿勢をたたえた。また、夏休みに向け「チャレンジ精神を持って、普段できないちょっと難しいこと、時間をかけられなかったことに挑戦してほしい」と呼び掛けた。
終業式に合わせ村は、村民が選んだ推薦図書50冊の中から、児童、生徒が興味を抱いた本を一人3冊ずつ贈る「ブックバトン」事業の贈呈式を行った。
横前明村長は、世界恐慌の影響で村が困窮した際、「貧すれど貪せず」の精神で学校美術館が建設された歴史を踏まえ、「新型コロナによる大変な時代だからこそ、本を通じて感受性を高め、豊かな感性を育んでもらいたい」と事業に込めた思いを説明。「夏休みに読んでさまざまな知識を得て、将来世界に羽ばたき活躍する糧にしてほしい」と期待した。
終業式後、各クラスで一人一人に本が手渡されると、児童らは満面の笑みで受け取り「早く読みたい」と声をそろえた。5年生の女子児童の一人(10)は「勉強を頑張り、クラスのみんなともより仲良くなることができた」と1学期を振り返り、「夏休みは思い切り楽しみ、たくさん本も読みたい」と笑顔で話した。
この日は、阿南町、喬木、大鹿、阿智、平谷、売木、天龍村の各校でも終業式が行われた。飯田市は早い学校で4日から、他町村も9日までに2週間から20日程度の夏休みに入る。
◎写真説明:本を受け取り笑顔の児童(泰阜小)