天龍村の国道418号的瀬―早木戸間で昨年1月に発生した大規模なのり面崩落に伴う通行止め解消のため、新設工事が行われている神原トンネル(仮称、延長760メートル)の現場見学会が15日、開かれた。同村のどんぐり向方学園に通う児童、生徒ら20人余りが参加。トンネルが出来るまでの工程を学ぶとともに、現場で働く人らの姿に建設業への理解を深めた。
県下伊那南部建設事務所が管轄し、岡谷組・小池建設特定建設工事共同企業体が施工する。落石や崩落の多発区間を避け、人家などへの影響が少ない最短ルートで崩落箇所を回避し、起点(的瀬)側の坑口は日代沢橋東側、終点(早木戸)側坑口はゲストハウス満月屋の北側とした。
トンネルの幅員は車道3メートルの2車線、両側に路肩0・5メートルの全幅7・0メートル。ダイナマイトによる発破、ずり出し、コンクリート吹付、ロックボルト打設などの工程を24時間態勢で1日に5回程度繰り返し掘り進める。6月に起点側から掘削を開始し、この日までに全長の約半分、366メートルまで達している。貫通は来年の3月中を見込む。
この日、児童、生徒らは、同事務所や施工業者から、トンネル新設の経過や掘削工法などについて説明を聞いた後、歩いてトンネル内を見学。大きな音を上げて動く大型の重機や染み出す地下水など見慣れぬ光景を目の当たりにし、建設現場の苦労ややりがいを実感していた。
中学3年生の生徒会長(15)は「本などでトンネルの建設方法を調べてきたが、実際に現場を見ることで、想像していた以上に大変な仕事ということが分かり、勉強になった」と話した。
同事務所は今後、天龍中学校、同小学校を対象とした見学会も計画している。
◎写真説明:掘削が進むトンネル内を見学する児童生徒