県南端に位置する天龍村の天龍中学校で6日、県内で最も早いプール開きが行われた。水泳班の3人が泳ぎ初めに臨み、生徒たちの前で勢いよく水しぶきを上げた。全校12人でプールに「今年1年よろしくお願いします」とあいさつし、目標や誓いの言葉を発表した。
県内ではひと足早く気温が上がる同村だが、この日は薄い雲がかかり、午後2時の気温は22度。水温は23度で、基準となる20度を超えていたため、予定通り開催した。3年2人、2年1人の班員は、冷たさに体を震わせながらも25メートル2本を泳ぎ切った。
誓いの言葉では、生徒会長の山崎ここねさんが「50メートルを泳ぎ切る」「ルールを守って楽しく泳ぐ」と誓い、水泳班班長の成瀬陽人さんが「泳ぎ方をもう1度見返して苦手なところを見つける」と意気込みを語った。
泳ぎ終えた成瀬さんは「思ったより寒かったし、進まなくてびっくりした」、副班長の中島陽翔さんは「1年ぶりに泳いで感覚を思い出した」と語った。
同校は1966(昭和41)年にプールを設置し、76年に水泳班を発足。長期間プールを利用できる強みを生かし、男子団体8連覇などの快挙を達成した。県内屈指の強豪校として「水泳天龍」の名で知られたが、少子化の影響もあって班員数は減少。2012年の夏には3年生の引退で班員がいなくなり、一時休部となった。
塩澤孝仁校長は、水泳班で活躍した先輩の言葉を紹介して「先輩の思いをつないでいかなければ」と力を込めた。
◎写真説明:水泳班による泳ぎ初め