お茶の生産が盛んな天龍村の天龍小学校で16日、茶摘みが行われた。青々と育った先端の新芽部分を「一芯三葉(いっしんさんよう)」の手法で丁寧に摘み取り、南信州茶手揉保存会のメンバーの指導で手もみも体験した。
今年は1、2年生が同校正面玄関周辺、3、4、5年生が学校近くの村民所有の茶畑で実施。17人の児童たちが慣れた手つきで摘み取っていった。
後半は同保存会が持参した「焙炉(ほいろ)」を使い、事前に摘み取って蒸しておいた茶葉で手もみを体験。会員の熊谷美沙子さん(52)の指導を受けながら見よう見まねで挑戦し、粘土をこねるように茶葉をもんだ。
「茶を味わう会」も開き、3煎目まで湯の温度を変えて味わい、恒例の出がらしにポン酢をかけて食べる楽しみも。3年生の児童の一人(8)は「昨年よりも上手に多くの葉を摘むことができて楽しかった」と笑顔をみせた。
茶摘みと手もみを指導した熊谷さんは「ペットボトルのお茶が手軽に飲める時代だからこそ、お茶が出来る工程を知るきっかけにしてほしい。将来的には生産に関わる子が出てきてくれれば」と期待を寄せた。
◎写真説明:正面玄関周辺で葉を摘む児童たち