天龍村の天龍小学校の全校児童18人が24日、村に5月ごろに飛来する渡り鳥「ブッポウソウ」の巣箱作りに取り組んだ。手作りで計30個の巣箱を手掛け、4月中旬に天竜川に架かる橋や山林などに設置して営巣、繁殖を手助けする。
巣箱作りは東南アジアから渡ってくるブッポウソウの保護を目的に、1998(平成10)年に始まった。3~5年生で構成する「みどりの少年団」の活動の一環として毎年実施。自然や郷土を愛する心を養う機会にしようと、1、2年生も加わり活動を展開している。
巣箱は村産の杉を加工した6枚の板を組み合わせて作成。児童たちは飯伊森林組合や地元有志でつくる「ブッポウソウを守る会」のメンバーの協力も得ながら、3人1組で高さ40センチほどの箱を組み上げていった。
少年団の団長で、1年生の時から巣箱作りを経験している5年の男子児童(11)は、1年生にくぎを真っすぐに打つコツを教えながら手慣れた様子で作業。「毎年やっているので早く組み立てることができた。鳥がしっかりとすめるように頑丈にすることを心掛けた」と話した。
ブッポウソウは天龍村の村鳥で県の特別天然記念物にも指定されている希少種。例年、5月中旬に同村に飛来し、各地の巣箱などで営巣する。金緑色に輝く美しい姿が特長で、児童たちは毎年、飛来した直後から観察を行い、渡り去った後には巣箱を回収して鳥の繁殖状況などを調査している。今年は計20カ所に設置する予定という。
◎写真説明:巣箱を組み立てる天龍小の児童