平谷村の平谷小学校は本年度、子どもたちが授業の進度を自ら決めて学習する「単元内自由進度学習」を初めて導入した。1日、同校で5年生の授業を公開した。
同学習は通常の授業と違い、子どもたちがある単元で自ら計画を立て、自力で学習を進める。同村は昨年度から「村教育魅力化プロジェクト」に取り組み、「自立して学ぶ力」をテーマに掲げる。同学習はその一環で、1学期は5年生を対象に6月28日~7月14日の1日2時間、国語と算数の2科目を充てる。
学習支援員を務める村地域おこし協力隊の鈴木温未(あつみ)さんが協力。教員らと他校を視察して実践に向けた研究を重ね、進める上で重要な「学習カード」を作成した。
5年生5人は図書館やフリースペースなど自由に場所を移して学習した。単元は算数が「合同な図形」、国語が「報告文の書き方」で、分からない箇所を教科書やタブレットで調べ、鈴木さんらが作った廊下のヒントコーナーも参照しながら学習カードを解いていった。男子児童の一人(10)は「いつもの授業より集中できて、勉強がはかどった」と話した。
教員だけでは異動で継続が困難になる恐れがあり、学習カード作成に多大な時間がかかるため、学校側が鈴木さんに協力を要請。全国でも学校職員でない者が関わることは珍しいという。
權田(ごんだ)敬重(たかしげ)校長は「自分で納得するまで追及でき、自分で解決しようとする力や自己調整能力の向上に役立つ」と期待した。
同村は子どもを増やそうと、農山村親子留学制度を始めている。滝沢浩教育長は「子どもが行きたい、親が行かせたいと思う魅力ある学校づくりを進め、行ってみたい、住んでみたいという魅力ある村につなげたい」と話した。
◎写真説明:廊下のヒントコーナーで問題を解く5年生