卒業シーズンのトップを切り、県立阿南高校(浅井真也校長)は1日、第72回卒業証書授与式を同校体育館で開いた。卒業生50人が在校生や保護者に送られ、新たな道へ向かって歩みだした。
会場が温かな拍手に包まれる中、卒業生は晴れやかな表情で入場。授業や部活動、クラスマッチに文化祭と、友人らと過ごした日々に思いを巡らせながら校歌を歌った。
式辞で浅井校長は「(コロナ禍で)ほとんどの行事が中止になった3年間だったが、切ない気持ちに耐えて皆さんは自分の道を歩み続けてきた」と労い、「コロナ禍で鍛えた粘りが役立つときがきっと来る」とエールを送った。
卒業生代表として答辞を述べた女子生徒は「入学したときはコロナ禍が3年間も続くと思った人はいないのではないか。限られた3年間を奪われたことを私たちは忘れないと思う」と涙ぐみながら大きく制限された高校生活を振り返った。
その上で「この3年間があったからこそと思えるように人生を楽しみたい」と述べ、学校生活を支えてくれた教職員をはじめ、友人や先輩、後輩、家族らに感謝した。
同校では、国の指針に準じた県教育委員会の方針に沿い、式典中は国歌、校歌の斉唱などを除いてマスクの着用は不要としたが、ほとんどの生徒がマスクを着用していた。
飯田下伊那地域ではこの日、松川、飯田女子高校でも卒業式が行われた。2日に飯田と風越、下農、3日にOIDE長姫、4日に阿智で開かれる。
◎写真説明:阿南高校の卒業式