阿南町富草小学校の1~4年生43人が10日、富草鴨目地籍の農場で地元の特産品「三紀層フルーツ大根」の種をまいた。児童らは「大きく立派な大根に育って」と願いを込めながら、土の中に優しく種を埋めていった。
富草地区に分布する第三期中新世富草層の堆積岩層、通称「第三紀層」は、カルシウムなどのミネラルが豊富に含まれており、同地で栽培するダイコンは、柔らかさと強い甘みが特長。地区住民有志でつくる栽培グループが20年ほど前から三紀層フルーツ大根としてブランド化し、販路拡大を図っている。
現在は同グループが25アールほどの畑で栽培し、地区の食彩館直売所で販売する他、学校給食などにも提供している。
この日は、有志グループの代表を務める林茂人さん(84)が、三紀層フルーツ大根の特徴や種のまき方などを説明。児童らは、同グループが事前に作った畝のくぼみに2粒ずつ種を入れ、土ともみ殻をかぶせていった。
4年生男子児童の一人(10)は「今年で4回目なのでやり方も覚えてきた。ダイコンは大好きなので収穫が楽しみ。大きく育ってほしい」と期待した。
種まきから3、4日で発芽し、60~70日後が収穫の目安。児童らは草取りや収穫作業も行う。林さんは「農業に触れる子どもが減っている。農作物がどうやって作られているのか、この機会に学んでもらえたら」と話した。
◎写真説明:ダイコンの種をまく児童ら