阿南町の阿南高校は10日まで、新型コロナウイルス感染対策として通常登校と自宅でのオンライン授業を併用している。8月24日の始業式後、25~27日は全校生徒を対象に、午前中のみの短縮日程でオンライン授業を実施。今週は学年ごと日替わりで、6時間のオンライン授業日を設けている。
3日は2、3年生が通常登校し、1年生はオンラインで授業を受けた。1年生全68人には6月末までに1人1台のタブレット端末配備が完了しており、端末を利用して、数学、生物、体育など6時間の授業の他、朝夕のホームルームにも参加した。端末や通信環境の不具合などによりオンラインが困難な場合などには、登校しての授業参加を認めている。
県のICT教育パイロット校に指定される同校は、デジタル教材や教育ソフトの円滑な活用のためICT人材を派遣する「GIGAスクールサポーター配置事業」を利用し、4月から各教諭らがオンライン授業や通常授業でのICT活用について研さんを積んできた。棚田美穂教頭は「ICTの活用に向けて取り組みを進めてきたことで、感染警戒レベル5という今回の事態に際しても、すぐにオンライン授業に踏み切ることができた」と振り返る。
25~27日の授業では、通信トラブルや黒板書きの見やすさ、分かりやすさなど課題があったが、授業後のアンケートを通じて生徒らの声を反映。教諭らは、授業中に出す「キーワード」で出席を確認するなど、生徒らが自宅でもしっかりと授業に参加できるよう工夫をこらしている。
棚田教頭は「電車の運休などによって通学に影響がでることも多い。コロナに限らず、不測の事態にも生徒の学習環境を確保できることは心強い。通常の事業にもさらにICTを取り入れていくことで、いつでもオンラインに対応できる体制を強化していきたい」と話した。
◎写真説明:ホームルームで出席を確認(阿南高)