県建設業協会飯田支部(長坂亘治支部長)は17日、飯田OIDE長姫高校の生徒を対象にした工事現場見学会を開いた。社会基盤工学科と建築学科の2年生70人余が公共工事や建築工事の現場を訪れ、担当者から工事概要の説明を受けた。
高校生を対象にした現場見学会は、建設業界の課題でもある若年技術者の地元採用に結び付ける取り組みとして、県飯田建設事務所などの協力を得て、毎年「土木の日」(11月18日)の前後に開いている。
今年は社会基盤工学科の36人が、リニア関連道路として県が整備する座光寺上郷道路や高森町と豊丘村を結ぶ竜神大橋(新万年橋)を見学。建築学科の38人は、高森町の新みつば保育園と喬木村の伊藤製菓の建築現場を訪れた。
このうち座光寺上郷道路では、道路が土曽川を横断する部分のボックスカルバートという構造物の建設現場を見た。本年度中には構造物が完成し、その後、別工事で内部に護岸を設けて仮設水路に迂回している土曽川の流れを元に戻す計画だ。
座光寺上郷道路は、リニア開業の効果を広範囲に波及させようとする中央道座光寺スマートインターとリニア駅をつなぐアクセス道路。建設事務所や施工会社の担当者から工事の概要について聞くと、ボックスの内部を見たり、上部から全体を見下ろしたりと実際の現場の様子を間近で感じた。
社会基盤工学科2年の生徒の一人(17)は「写真や映像と違って、自分の目で実際の現場を見ると迫力がある。説明も分かりやすく、建設業への魅力が増した」と話した。
同支部の大平敏一技術委員長は「専門科の生徒たちに、将来の地域産業を支えてもらいたい。進学で一度都会に出てしまうと大手や県外の企業を選んでしまいがち。就職先には地元の企業を選んでもらいたい」と期待した。
◎写真説明:座光寺上郷道路の現場を見る高校生