飯田市鼎名古熊の下伊那農業高校で12日、仮想現実(VR)で農業機械の安全利用について学ぶ授業があった。農業機械科2年生32人が参加。先端技術に触れながら、正しい機械操作の重要性を再確認した。
車の構造や操作法などについて学ぶ「自動車工学」の一環。本物に近いVRを体験することで、農業機械の利便性と怖さをより理解してもらおうと初めて行った。機材はJA共済連から借りた。
生徒たちは農作業事故の現状や事例を説明する動画を視聴した後、VR専用のゴーグルを装着。操作方法を確認すると、トラクターの転倒による圧死事故や刈払機による手指の巻き込み事故などを想定したVRを体験した。
男子生徒の一人(17)は脚立に上ってリンゴを収穫している際にバランスを崩し、落下してしまう動画を体験。「高さもあってリアルだった。作業をするときは友だちと助け合いながらやろうと思った」。刈払機の危険性を学んだ男子生徒(16)は「安全に気をつけながら楽しく作業したい」と話していた。
担当の松村和重教諭(33)は「被害者にも加害者にもなる可能性がある。VR体験を通して機械の安全な利用について理解を深めてほしい」と話していた。
◎写真説明:VRゴーグルを装着して体験した