周辺環境と調和した公共空間を設計する信州大の「ランドスケープ(景観)・プラニング共同研究講座」を巡り、飯田市内の企業や金融機関、南信州広域連合などは9日、資金面などで支援する外部機関(コンソーシアム)を立ち上げた。講座はエス・バード内の「信州大学南信州・飯田サテライトキャンパス」に設置する計画で、信大農学部と連携して2023年4月に開講する予定。
この日、エス・バードで開かれた設立総会では規約を制定し、役員を選任。会長に就いた綿半ホールディングスの野原勇社長は「長く住める地域をつくる人材を育てたい」とあいさつした。
これまではデザイン系高等教育機関設立準備会が中心となって支援方法を含め信大側と協議を進めてきたが、今後はコンソーシアムへ移行。コンソーシアムは39団体で組織する。
講座の運営に必要な経費として人件費、講座研究費、学生支援などを挙げ、概算だと準備期間が年間1300万円、開講後は年間2000万~2100万円程度必要になる。
信大大学院総合理工学研究科農学専攻内に講座を設置する。修士2年間コースで、1学年の定員は3人を予定。特任教授と助教を1人ずつ配置する。自然、風土、環境など地域の特色を生かしたランドスケープ・プラニングの実務者を養成する教育プログラムの実現を目指すとし、リニア時代も見据える。基本5年間の有期講座。
航空機分野に次ぐ新たな教育機関と位置付け、総合的な学びの拠点として「信州大学南信州キャンパス」構想を描く。
航空機システム共同研究講座は2017年に開講した。航空機システムを学べる国内唯一のカリキュラムで、JAXA(宇宙航空研究開発機構)や企業と連携して航空機装備品の高度化や高付加価値化の研究開発も行っている。
共同研究講座での実績を踏まえ本年度、信大大学院に総合理工学研究科「航空機システム分野横断ユニット」を設置。共同研究講座もユニットの一部として継続する。昨年度までの4年間で11人が修士号を取得。本年度は新入生が7人入り、2年生4人を含む計11人がサテライトキャンパスで学んでいる。
◎写真説明:コンソーシアムの設立総会