信州大学新学部誘致推進協議会(会長・佐藤健飯田市長)は7日夜、「大学のあるまち」をテーマにした意見交換会を開いた。飯田女子短大の1、2年生22人が参加。佐藤会長は「将来像に大学のあるまちが描かれていない」と現状を指摘し、学習や研究の環境のほか生活環境、企業との連携、就職といった観点から提案を求めた。
推進協のメンバーを加え、4つのグループに分かれて意見を出し合った。
学生からはグループワークやディスカッションができる場所を校外に求める声が相次いだ。「アルバイト後の夜間に勉強できるスペースがほしい」「カフェのような勉強スペースがない」などの声が上がり、JR飯田線飯田駅前に5月に開設した公共エリア「ムトスぷらざ」に言及すると「短大とのアクセスがあまり良くなく使いづらい」とした。
車を所有していない学生の移動手段が限られるといい、広島県尾道市出身の学生は「交通の便がよくない。バスの遅れを知らせてくれるサービスがあったらいい」と語った。
企業との連携では、地域や企業を知ったり交流したりする機会を求める声が出た。
地域に4年制大学がないことで若者が都市部へ流出する傾向を踏まえ、4年制大学誘致によって「担い手が地元に残り、伝統文化を継承していくことにもつながる」と期待を寄せる学生もいた。
意見交換会は市内にある飯田女子短大と飯田コアカレッジの2つの高等教育機関の学生を対象にし、11日は飯田コアカレッジで開く。
飯田下伊那地域への誘致を目指している信州大(本部・松本市)の情報系新学部を巡り、企業や団体、個人などでつくる誘致推進協議会が1月に発足。佐藤会長は「学生や研究者が『ここで学びたい』と思えるようなまちづくりが必要」とし、大学のあるまちづくりを進める。
◎写真説明:グループごと意見を交わす学生ら