県独自の地鶏「信州黄金シャモ」の普及に取り組んでいる下伊那農業高校アグリ研究班畜産部は、飲食店経営「岳」(飯田市上殿岡)とラーメン、餃子、焼鳥丼を共同開発し、同社が経営するラーメン店「ふたつ矢」(同市上郷飯沼)で1日から販売を始めた。
信州黄金シャモは、シャモと名古屋種を交配させた種。1平方メートルあたり5羽以下の広々とした環境で、ブロイラーの2倍以上の日数をかけて育てられる。肉は旨み、風味、歯応えの三拍子がそろっているといわれる。
生産者の減少を受け、同校では「リニア時代を見据え、オリジナル地鶏を地域に広げよう」と、2017年に普及を目標にした「10年計画」を立て、同年から校内の鶏舎で飼育している。
同部が中心となって飼育し、黄金シャモを使った食材の開発など魅力発信にも取り組んでいる。牛やヤギ、ニワトリなども育て、現在1、2年の計7人で活動している。
魅力発信の一環とする同店とのラーメン開発は今年で4年目。昨年11月ごろから生徒がメニューやコンセプトを考えてアイデアを店側に伝え、店が生徒のこだわりや思いをくんで開発した。
販売するラーメンは「しょうゆ」と「塩」。黄金シャモのもも肉やむね肉、穂先メンマ、シソワンタンなどのトッピングが載った「特製ラーメン」と、シンプルな具材の「かけラーメン」がある。穂先メンマは、同市下久堅で竹林整備に取り組む「NPO法人いなだに竹Links」が提供している。
3個入りの「黄金シャモ餃子」は黄金シャモのチー油をつけて味わうことができ、風味にこだわった。「黄金シャモのミニ焼き鳥丼」は照り焼き風に焼き上げたもも肉をご飯と一緒に楽しめる。
2年の原大祐部長(17)は「黄金シャモはブランド地鶏として県から認定を受けているがあまり知られていない。この機会においしさを知ってほしい」と呼び掛けていた。
同社の北原広康社長(42)は「地域の大切なものを残そうとする意義のある活動。多くの人が黄金シャモを食べるきっかけになったら」と話していた。
期間限定販売で22日まで。料金は以下の通り。
▽特製ラーメン(しょうゆ・塩) 1309円(税込み)▽かけラーメン(しょうゆ・塩) 770円(同)▽黄金シャモ餃子 495円(同)▽黄金シャモのミニ焼鳥丼 440円(同)
◎写真説明:期間限定で販売するラーメン、餃子、焼き鳥丼