【飯田市】北方のはなぶさ学園が不登校児童らの支援活動 体験通して生きた学びを

学校・教育

[ 2022年 6月 16日 木曜日 15時32分 ]

 不登校の増加が教育課題となる中、飯田市北方のNPO法人はなぶさ学園(木下英幸代表)は、民間のボランティアによる支援活動をしている。「不登校への理解を深め、支援拠点を増やそう」と、地域と連携した支援を進め、体験を通して子どもの成長と自立を促している。

平谷で釣り体験

 「やった、釣れた」―。森に囲まれた湖に子どもたちの歓声が響く。

 3日、同学園に通う子ども5人と保護者が平谷村の「平谷湖フィッシングスポット」を訪れ、釣りを体験した。服部鱒(ます)宏施設長ら3人のインストラクターから基本を教わり、2時間にわたって普段は味わえない体験を楽しんだ。

 昨年、木下代表が同村の集落支援員鬼頭さおりさんと出会い、施設を紹介された。鬼頭さんは「村の自然環境を子どもの支援に生かしたい」とし、服部さんも「釣りや村を好きになるきっかけになれば」と期待する。

 木下さんは地域と連携した支援を展開している。平谷村の他、下條村や松川町の農園などが協力。「生きた学びを」と体験を重視し、外に出ることで「子どもがいきいきする」という。児童の一人は「普通の学校では体験できないことをやらせてくれる」と話した。

 また、コーディネーターとして不登校の子どもと学校をつなぐ役割も担い、平日仕事が終わった後、家を回って話をし、学校に伝えて情報共有を図っている。

 本年度は下伊那農業高校で地域主体による放課後の居場所づくりを検討している。

子ども同士が刺激に

 県内小中学校の不登校者数は増加しており、2020年度は3802人で過去最高となった。飯田市では100人当たりの不登校者数を示す在籍比が同年度2・28で、過去5年は増加傾向にある。

 はなぶさ学園は2020年に設立。個人で支援をしていたが「一人での活動には限界がある。地域や行政を巻き込みたい」とNPOを立ち上げた。毎週金曜日に自宅兼事務所で活動し、木下さんが送迎している。ボランティアで無料だ。

 活動はものづくり体験の他、食育を重視し、皆で昼食を作り作物も育てる。「勉強で悩んでいる子が多い」とし、学年ではなく学力に応じた学習を支援。小2の内容から教えたらぐんぐん伸びた小6児童もいるという。

 10日はキーホルダーを制作。地域住民へのお礼を込めてジャムを贈ろうと考え、瓶にキーホルダーを付けて飾った。

 「いろんな地域のいろんな学年の子と一緒に活動するのが良い刺激になっている」と木下さん。学園に来たことで学校に通い始めた子どももいた。小6の児童(11)は「心に余裕ができた。同じ状況の子がいて、自分だけじゃないと親近感が持てた」と話す。

 木下さんは「少しでも学校に行きたい子を応援したい。自立した社会人になるまでが支援だ」とし、「不登校は特別じゃない。地域全体で不登校への理解が進み、同じような子どもの居場所がたくさんできるよう活動を続けていきたい」と語った。

◎写真説明:キーホルダーの作り方を教える木下さん(右から2人目)

  

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