天竜川の鵞流峡(がりゅうきょう)の竹林整備に参加している飯田市竜丘小学校の6年生63人が5日、伐採した幼竹からつくるメンマ「天竜いなちく」のラベルデザインを学ぶ学習会を校内で開いた。
6年生はNPO法人「いなだに竹Links」とともに鵞流峡の放置竹林整備に携わり、竹を生かした体験をしている。切り出した若竹をメンマにして販売する活動に取り組んでおり、商品のラベルも児童が作成している。
同法人のメンバーで食品デザイナーの伊藤隆子さんを招き、デザインとは何かを学んだ。NPO法人国際ボランティア学生協会「IVUSA(イビューサ)」の大学生6人も見学した。
伊藤さんはデザインについて「『問題』を見つけ、解決するために『設計』し、『形』にすること」と説明。コツとして「主人公が誰かを考え、メンマや天竜川、食べる人など視点を考えて」と伝えた。商品を売るためには「感動を伝えて『ファン』を増やすことが大切」とし、「普段の自分の言葉で表現してほしい」と呼び掛けた。
「天竜いなちく」を製造販売している谷口醸造(鼎下山)の羽田野哲矢さんも来訪し、メンマの製造工程を説明。味付けには信州伝統野菜の一つ、阿南町の鈴ケ沢南蛮(トウガラシ)を使っていることを紹介し、「買ってくれる人の気持ちを考えてラベルを作ってほしい」と伝えた。
児童たちは、昨年から500個増やして1500個を売ることを決定。学校の150周年を記念し、「150」の文字も入れ、10月下旬の販売開始を目指す。商品紹介のホームページも児童が作成し、ラベル、チラシ、ホームページとグループごとに役割を決め準備を進める。
男子児童の一人(12)は「デザインで大切なことやメンマができるまでを学べた。かっこよく、買ってくれる人が夢中になれるデザインが描けたら」と話した。
◎写真説明:メンマのラベルデザインや製造工程を学んだ