「第21回全国中学生創造ものづくり教育フェア」(全日本中学校技術・家庭科研究会主催)が22日にオンラインで開かれ、飯田市緑ケ丘中学校技術部2年の若林詩華さん(14)が「木工チャレンジコンテスト」で最優秀賞となる文部科学大臣賞を受賞した。「生徒作品コンクール」に出場した西澤ひなさん(13)は日本教育新聞社賞を受賞。2人に喜びの声を聞いた。
「木工チャレンジコンテスト」は生活に役立つ木工製品がテーマで、制限時間以内に与えられた木材で作る。若林さんは、いつも料理をごちそうしてくれる祖母の手助けになればと「パッと取れてピッと切れるキッチン整理ボックス」を発案。片手でキッチンペーパーが取り出せるよう2枚の板を交差させて作ったカッターと、傾斜をつけて取り出しやすくした調味料棚を取り付けた。
今回は感染症予防のため、製作風景を映した4時間分の録画で審査を行った。練習では制限時間内に仕上げることに苦戦したといい「各工程の時間を少しずつ短縮し、丁寧さを忘れないように取り組んだ」と振り返った若林さん。同様に事前に撮影した2分間のPR動画では、作品に込めた思いや製作背景を伝えた。
「技術が認められてうれしい」と受賞の喜びを笑顔で語り「アイデアを考えたり技術を磨くことで自信がついた」と話していた。
「生徒作品コンクール」は、写真と書類で行われた。西澤さんは「新聞を簡単に整理できるようにしたい」という母親の悩みをヒントに「SHITANIOTOSHITE(したにおとして) スットジール」を製作。事前にひもをセットし下板を取り外すだけで、約1カ月分の新聞を楽に縛ることができる。
西澤さんは「たくさんの参加者がいたので、驚きが大きい」とし今後の部活動について「最上級生として今回の大会を通して学んだことを後輩たちに伝えていきたい」と話していた。
顧問の三石直規教諭(60)は「練習中も2人の懸命に取り組む思いが伝わってきた。若林さんの技術力と、西澤さんの発想力で部活全体を盛り上げていってほしい」と期待していた。
◎写真説明:受賞した若林さん(左)と西澤さん