飯田市の遠山郷にある遠山中学校と和田小学校、上村小学校は20日、本年度初めての3校交流会「絆プロジェクト」を同中学校で開いた。3校の全校児童・生徒ら計79人が参加。学校、学年の垣根を越えてレクリエーションで交流を深め、SDGs(持続可能な開発目標)を踏まえた地域づくりについて議論し、思いを共有した。
3校の子どもたちが集まり遠山郷の将来について考える絆プロジェクトは昨年度にスタート。地域の人口減少に伴い各校の児童生徒数が減少する中、学校の存続に向けて持続可能な地域を目指し、「将来を担う子どもたちが地域への関心や愛着をさらに高めることが大切」との観点で展開している。
この日の交流会ではいくつかの縦割りグループに分かれ、遠山中生徒会が考案したクイズに挑戦。SDGsの他、本年度から3校がユネスコスクール・キャンディデート校に認定されたことからユネスコにちなんだ問題が出され、グループ一丸となって答えを考えた。
後半は「どんな遠山郷になってほしいか」「そのためにできることは何か」をテーマにグループごと議論。理想の将来像に人口、商業施設の増加や自然環境の維持を挙げるグループが多く、実現のために「ごみのポイ捨てをしない」「他の市町村や県外に地域の魅力をアピールする」などの意見が出た。
本年度の交流会は7月と11月にも開催する予定。同中3年で生徒会長の男子生徒(14)は「小1の子もいるので分かりやすくSDGsを学べる問題を心掛けた。楽しんでもらえてうれしい」。副会長の生徒(同)は「3校で交流する機会は少ない。顔と名前を覚えて仲良くし、SDGsについて考えていければ」と話していた。
◎写真説明:遠山3校の交流会