IT系専門学校「飯田コアカレッジ」(牧島晃校長、飯田市松尾明)は9日、卒業研究発表会をオンライン開催した。ITスペシャリスト学科の2年生たちが地元企業や農家の課題解決に向け、システム開発などに取り組んだ1年間の足跡を振り返った。
社会人基礎力を養う週1回の授業「探求学習」として続けてきた取り組みで、3日(ITビジネス学科とIT医療事務学科)とこの日の2回に分けて開催。学生たちはスーツ姿で発表に臨み、グループごとに研究の背景や目的、成果と残った課題を語った。
ITスペシャリスト学科の発表会では、社内共有カレンダーシステム、製造業者向けのメンテナンス記録管理システム、農業IoTシステム、社内情報を共有するデジタルサイネージ、弁当注文業務のシステム化によるペーパーレス化と業務効率化、風景動画と連動するサイクリングマシンの開発について発表した。
このうち弁当注文業務のシステム化に取り組んだ3人は、多摩川マイクロテップと連携し、手作業だった同社の弁当注文業務を電子化。ICカードを使った新システムを活用することで発注業務を簡素化し、ミスが起きにくくした。
同社の担当者3人は「難しい要求にとても苦労したと思う。技術面以外に用件の理解、打ち合わせの進め方、取りまとめ方なども習得したはず」「使う側の身になっての提案は私生活においても重要。言葉にならないニーズも引き出せるといい」などとモニター越しに講評し、エールを送った。
市内の建設会社への就職が決まっている生徒(19)は「企業のニーズに合ったものを作ることの大変さ、チームで協力することの大切さを学べた」と振り返った。
牧島校長は「連携企業のおかげで、就職してから体験することを学生時代に学べることの意義は大きい。来年以降も失敗を恐れずに研究に打ち込む中で、社会人基礎力を身につけさせたい」と話した。
◎写真説明:研究の成果をオンラインで発表した