信州大(本部・松本市)の情報系新学部を巡り、飯田下伊那地域への新学部設置のメリットについて、南信州広域連合は13日までに信大に提案した。郵送で提出した。財政面など具体的な支援について信大は飯田市に提案を求め、市側は広域連合内で提案内容をまとめた。財政支援について「具体的な内容は信大との交渉事項であり、現段階では公表できない」とした。
市担当課によると、メリットとしてリニア中央新幹線の開業や三遠南信道の全通によって首都圏、中京圏、関西圏とのアクセスが向上し「三大都市圏に最も近いキャンパスになる」ことを挙げた。
多様性のあるフィールドやデジタル化、情報化に対して伸びしろのある地域性についても指摘し、情報系新学部と地域が一体になって「新しいものを作り出していくための環境と条件が整っている」とした。
この他、4年制の大学がなかった地域に新学部が設置されることによる県内の高等教育の機会均衡に加え、企業と大学の共同研究など「産官学連携の取り組みの機会均衡が図られる」とも。信大の知見と能力を生かした県全体の均衡ある発展や、地方創生の実現という面からも好影響になるとした。
信大側は、新学部立地の検討には地方公共団体からの財政支援や、校地校舎の整備への支援が不可欠とする。
信大の第4期中期計画によると、設置時期は2025年4月をめどとする。人口動態、地域社会や産業構造の将来予測、新たな教育ニーズの分析結果を踏まえて新学部を含む教育実施体制を整備し、教育プログラムの改編を行うことで社会的な課題解決に当たることができる人材を養成する―とする。
飯田下伊那地域には4年制大学がなく、長年の悲願となっている。
信大新学部の設置を巡っては、長野市も設置のメリットを提案している。