高森町の小中学校3校の給食で12日、町の特産品「市田柿」が提供され、児童、生徒らが地元の風土が育む伝統の味に舌鼓を打った。
市田柿の発信や需要拡大などに取り組む「高森町市田柿発祥の里活用推進協議会」が、発祥の町として子どもの頃から市田柿に親しんでもらおうと、2014年から毎年行っている取り組み。今年は児童生徒一人当たり個包装の市田柿1個、計約1300個を給食に提供した。
当初は協議会などが定めた12月1日の「市田柿の日」に合わせて提供していたが、近年は給食の「小正月メニュー」にタイアップする形で実施。元旦に市田柿、落花生、栗を食べて歯の健康や長寿を願う南信州地域の年中行事「歯固め」について学ぶ食育も兼ねている。
高森南小学校の4年生は毎年、校内にある柿の木から収穫し、市田柿づくりに挑戦している。生産体験を通じて市田柿への関心を高めており、この日も給食を楽しみにしていた様子。4組の男子児童の一人(10)は「家でも市田柿をつくっているのでよく食べている」と話し、「甘くて、やわらかくておいしい」と笑顔を浮かべた。「町の特産品なので、たくさんの人に食べてもらいたい」と話していた。
◎写真説明:給食で市田柿を味わう児童