下條村の下條小学校は25日、村内で働く人たちから仕事の楽しさを学ぶ「ふるさと塾」を開いた。さまざまな職種の8人を講師に迎え、4~6年生の児童約100人が興味のある仕事を選んで受講。身近で働く先輩たちの声を聞き、村への愛着を育むとともに、仕事に対する夢や希望を膨らませた。
行政、農業、ものづくり、サービス業など村内のさまざまな分野で活躍する人たちが来校。自身の経験を振り返りながら、携わる仕事の楽しさや村で働くことへの思いなどを伝えた。
果樹農家の古田康尋さん(35)は「楽しい農業」と題し、家族や友人らと協力して楽しみながらリンゴなどを栽培していることを伝えた。収穫したリンゴを輪切りにして振る舞い、皮の近くと蜜の部分と、どちらが甘いかを比べるよう促した。
児童たちの「こんな農業だったらやってみたい」を聞いた場面では、「おいしいもので食べた人を笑顔にする」「家族みんなで楽しく」「珍しい農産物をつくってたくさんの人に知ってもらう」「大変な作業は機械が自動で」などの声。古田さんは「自分の考えと子どもたちの考えが近く、うれしかった。初心に返り新鮮な気持ちになれた」と笑顔を見せた。
6年生の児童の一人(12)は、「農業に対するイメージがあまりなかったので、詳しく知りたかった」と受講。「果物や野菜を作るだけでなく、食べる人などたくさんの人を笑顔にする仕事だと学ぶことができ、関心が高まった」と話していた。
◎写真説明:農業の楽しさを学ぶ児童ら