飯田市の千代小学校(太田兼彦校長)の全校児童44人は12日、千代法全寺区の「善意の川」の愛称で親しまれる谷沢川で恒例の環境美化活動を行った。川に落ちているごみを拾った後、水遊びも楽しんだ。
1955(昭和30)年ごろ、地元の青年が「あめのうお(アマゴ)」の稚魚を谷沢川に放流。地域住民による自発的な魚の保護と育成活動がメディアで取り上げられ、「善意の川」の愛称が付いた。現在は永久禁猟区の指定を受けている。
69(同44)年に千代小児童が清掃活動を開始してから、今年は活動50周年。同校では千代の自然や活動への理解、地域への愛着などの体得を願い、道徳教育の実践の場として活動を続けている。
この日は暑い日ざしの下、PTAや地域住民らが見守る中で作業を実施。児童たちは水着や緑の少年団の制服に着替えて川の中へ入った。
持参した袋にマルチシートの端切れやビニールひもなど、目に付いたごみを回収し、清掃を行った。
大きなごみはほとんどなく、清掃が終了すると待望の川遊びへ。水を掛け合ったり、ゴーグルを着けて川底をのぞいたりと、子どもたちのにぎやかな笑い声が響いた。
6年間美化作業に携わってきた児童会長(12)は「ごみをたくさん拾えてきれいにできた。川遊びはしっかり遊んで、思い出にしたい」と笑顔を見せた。
法全寺区長の熊谷吉行さん(67)は「人口が減って子どもも少なくなってきている。一年に一度、子どもたちの声が聞こえるのが楽しみ」と、児童たちの取り組みに喜びを語った。
◎写真説明:熱心にごみ拾いをする千代小児童たち