天龍村立天龍小学校(林武司校長)のみどりの少年団を構成する高学年生16人が9日、5月に飛来してくる渡り鳥ブッポウソウの巣箱づくりを行った。手作りで31個を作成。12日に天竜川に架かる橋や山林などに設置し、村鳥に指定されているブッポウソウの営巣、繁殖を手助けする。
東南アジアから渡ってくるブッポウソウの保護を目的に、1998(平成10)年から毎年実施。ことしもみどりの少年団の活動の一環として、4―6年生が作業をした。
最初に飯伊森林組合の瀧澤一登さんが「1組でも多くの番が入るよう頑張って作ろう」と呼び掛け、作り方を指導。児童たちは2人一組に分かれ、同組合や下伊那地方事務所、村などの職員から手ほどきを受けて工作した。
6枚の板を組み合わせ、交代でくぎを打ったり、抑えたり。慣れない作業に戸惑いながらも、協力しながらコツコツと進めた。
1人2個ずつをつくり、4時間ほどで直径10センチの巣穴が開いた43センチ×20センチ×20センチの巣箱31個が完成。村民らの要望を受けて、新たに止まり木を据え付けたものも作った。
ブッポウソウは天龍村の村鳥で、県の特別天然記念物にも指定されている希少種。例年、5月中旬に同村に渡り、各地の巣箱などで営巣する。
金緑色に輝く姿が特徴で、生徒たちは毎年、飛来した直後から観察を行い、渡り去った後には巣箱を集めて鳥の繁殖状況などを調査している。
5年生の女子児童は「くぎが曲がっちゃったりして難しかった。ことしもたくさんの卵がかえってほしい」と話していた。
少年団はこの他、学校近くの森林でシイタケの駒打ち作業も体験した。