飯田女子短期大学は4日、飯田市松尾代田の同短大で会見を開き、社会福祉法人希望の虹いずみの家「パン工房いずみ」と共同開発した「キムタクパン」を発表した。キムチとたくあんなどをご飯に混ぜた中信発祥の「キムタクごはん」をアレンジしたもので、食品開発実習を履修する同短大食物栄養専攻2年生5人が考案した。
食品開発実習は、地元企業などと連携しながら加工食品の企画立案、商品作成、ネーミングといった商品開発の過程を学ぶ授業。
製パン技術指導者の森山辰夫さん(66)=鼎名古熊=と、ジャパンホームベーキングスクール師範の三浦宏子さん(62)=八幡町=から昨年10月に技術指導を受けた後、8班に分かれて1品ずつオリジナルのパンの試作に取り組んだ。
パン工房いずみで各試作品の試食を行い、漬物とパンの組み合わせの斬新さや、県の名物になっているキムタクごはんにちなんだ点などから、キムタクパンの商品化を決定。
学生の提案では当初、キムチとたくあんをパン生地に包んで揚げていたが、生地の上に刻んだ具を載せたパンに変更し、刻みのりを飾って仕上げた。
いずみの家の牧内克博所長(42)は「滋賀にもたくあんを使ったパンがあるので、キムタクパンもいけるのではと感じた」と振り返った。
キムタクパン開発班の横井彩乃さん(20)は「学校給食で食べたことのあるメンバーがいたのがきっかけで、県の名物にもなっているのでパンにしてみようと取り組んだ。試作とはまた違った物になり、おいしいパンになった」と語った。
森山さんは「キムタクごはんは長野独特のメニューで、パンに応用したのはユニーク」、三浦さんは「地域の特色を生かしてパン作りに取り組むのはいいこと。若者向きのパンチの効いたパンになった」と評価していた。
キムタクパンは今月下旬に発売。今宮町の同工房店舗と中央通りのカフェ、訪問販売で取り扱う。3月15日の同短大卒業式でも、実習で開発した他の商品とともに販売する予定。
◎写真説明:短大生といずみの家がキムタクパンを開発