阿南町立富草小学校の低学年約30人が20日、同町鴨目地籍の農場で9月に種をまいた地元特産品「三紀層大根」の収穫作業に励んだ。今年は日照不足で例年よりも生育が遅れたものの、児童たちは長さ30センチほどに育った大根を力いっぱい引き抜いて収穫の喜びを肌で感じた。
旧化石の里産直組合が2000年から学校給食の野菜を提供し始め、同時に地元の小中学生を対象に食農体験を開始したのが始まり。組合解散後の現在は富草食彩館直売所が事業を引き継ぎ、直売所会員で生産者の林茂人さん(80)などから教わりながら食育活動を継続している。
今年は雨や曇りの日が多く、気温も低かったことから例年のような大きさには育っていなかったものの、児童たちは葉の根元のダイコンの部分をしっかりつかみ、アドバイス通り折らないよう真っすぐに引き抜いた。3年の佐々木日莉(ひまり)さん(8)は「大きくて甘いダイコンを早く食べたい」と笑顔だった。
今年は25アールの畑のうち9アールほどを使って育て、1人2本を収穫して家に持ち帰った。12月4日に生産者を学校に招待して交流給食会を開く予定という。林さんは「家族に三紀層ダイコンはおいしいと話してくれる子もいてうれしい」と収穫の様子を見守った。
ミネラル分を多く含む第三紀層の土壌で育てた同ダイコンは、みずみずしさと甘さから「三紀層フルーツ大根」としてブランド化されている。