飯田女子短期大学(高松彰充学長)は3日、看護師を目指す学生が気持ちを新たにする「発願式(ほつがんしき)」を、飯田市松尾代田の同短大で開いた。看護学科の1年生、25期生45人が仏教の精神にのっとり、患者の願いにこたえる看護師になる誓いを立てた。
看護学の基礎実習を終え、専門科目の授業が本格的に始まるのを前に、専門職としての知識や技術、態度を身に付ける心構えを新たにする機会として実施。一般の看護学校で「戴帽式」が行われるのに対し、仏教看護を特色とする同短大では「発願式」としている。式の運営は同学科2年生が務めている。
今年は新型コロナウイルス感染症対策のため、来賓や保護者は出席せず、例年より短縮して実施。式の途中には扉を開放し、換気を行った。
出席者は間隔を開けて着席した。真宗宗歌の合唱と礼拝に続いて、そろいの実習着を身に着けた学生が一人ずつ名前を呼ばれると、ろうそくを手に登壇。厳粛な雰囲気の中、仏様から火を授かる「戴灯」を行った。
学生が壇上にそろうと、代表の松下真夢さん(飯田市)が誓いの言葉を述べ「この日を、看護師への道の出発の時にしたい」と宣言。全員で「自分の心を見つめ、明るい知恵の道を進む看護師になりたい」「病に苦しみ悩む人々を見守り、人と生まれた喜びを共にする」などと誓い、散華を受けた。
高松学長は、看護師として活躍することを願う学生たちが、患者らの思いにこたえる誓いをすることが発願式の意味であると説明し「今日からその願いにこたえる最大限の努力をして」とエール。「感染症で世界が危険な状態にある時に、看護師になりたいと望むのは素晴らしいこと。その心と強い決意を、看護師になり退職する日まで持ち続けて」と話した。
◎写真説明:看護学科25期生の発願式(飯田女子短大で)