新型コロナウイルスの感染拡大で全国の学校が休校となり、オンライン授業の導入が求められる中、飯田市上郷黒田の飯田風越高校では、若い教職員が中心となって授業動画の導入を検討している。同僚が慣れ親しんだソフトを利用し、ネットに対する不安も解消することで早期活用を目指す。
授業動画の導入を研究しているのは、内山博貴さん(30)と知久広和さん(27)。各教科の担当教員がスライド作成ソフト「パワーポイント」か、文書作成ソフト「ワード」で作った画像や文書に同じ教員の声を被せ、動画とする方法を軸に検討している。
動画は同校で既に利用している教育用クラウドサービス「クラッシー」などに送り、生徒はスマートフォンでアクセスする。
大学や都市部の私立中学などでは授業を撮影し、インターネットの動画投稿サイトで配信したり、テレビ会議ツールの「Zoom」を使う双方向のオンライン授業が行われているが「自分の顔や姿がネット配信されることを不安に感じる先生もいる」(内山さん)という。
内山さんと知久さんが提案する方法はそうした現場の声を尊重し、生徒のネット環境など、さまざまな制約も踏まえたもの。教職員のテレワークや時間差出勤が進む中、場所を選ばず、専門知識がなくても個々に作り込めることも大きな利点と考えている。
県立高校は10日まで臨時休校中。2人は「休校がそれ以上延びる場合、家庭での学習が少しでも充実したものとなるよう、配信を目指したい」と話している。
◎写真説明:サンプル映像を確認する知久さん(左)と内山さん