体験旅行で飯田市などを訪れている私立実践女子学園中学校(東京都渋谷区)の2年生219人が14、15の両日、農業法人今田平(同市龍江)の指導で田植えを体験した。
自然に触れる機会の少ない都会の中学生が食のありがたさを知る機会に―と、岐阜県恵那市岩村に眠る学園の創立者、下田歌子氏の墓参りと合わせて恒例化しているプログラムで、14日は117人が汗を流した。
最初に水稲栽培について講義を受けてから田んぼに入った生徒たち。足を入れると水の冷たさや泥の感触に悲鳴が上がった。合図に合わせて両サイドから田植えを開始し、スタッフから苗の持ち方などをアドバイスされながら作業に励んだ。
小学校のころにも田植えを体験したことがあるという生徒(13)は「泥に足がはまって何度もこけそうになったけど、みんなで田植えを楽しむことができた」と話していた。
生徒たちが植えた苗は同法人が育て、収穫する米は学校で味わう。
今田平は体験旅行を受け入れて20年目で、本年度の受け入れはこの日からがスタート。田植えのほか、リンゴの摘果、イチゴハウス内の作業、ブドウの袋がけなどの体験プログラムが9月末まで続く。
大平盛男社長(80)は「田植え体験を通じて農業の厳しさと秋の収穫のときの喜びを知ってもらえれば。スタッフも指導力を向上させ、双方が満足のいく体験プログラムを模索していく」と話した。