根羽村と信州大学農学部は3日、連携協定に基づく連携協議会を村役場で開いた。関係者ら28人が出席し、村内で信大が取り組むクリタケ栽培や林間放牧の山地(やまち)酪農による森林生態系調査などについて研究成果を報告。課題を共有し、今後も協力していくことを確認した。
両者は2011年3月、森林と里山の活用モデルの確立、水源林と流域の発展に向けて連携・協力するため協定を締結。学術研究や人材育成で協力し合い、成果を産業振興や環境保全などに役立てながら持続可能な地域づくりを模索している。
本年度は根羽村を会場に、信大農学部の福田正樹副学部長ら4人からプレゼン形式で研究成果を報告した。
福田副学部長の研究は、大型クリタケの原木栽培がテーマ。佐久試験地や県林業総合センターでの栽培状況、発生パターンを解説し、「商業的な栽培が成り立つかどうかが課題。収量よりも単価を上げることが重要」と指摘した。今年は3種類の大きさのクリタケ植菌を予定する。
このほか、城田徹央助教が「ムネバタ牧場跡地におけるコナラ二次林の植生構造と更新状況」、荒瀬輝夫准教授が「山地酪農(ウシ放牧)に伴う植生の変化」、福山泰治郎助教が「山地酪農試験地における気象水文観測」の研究成果を発表。今後も引き続き、モニタリングや研究に取り組むとした。
村側からは森林組合の今村豊参事が、企業CSR活動による植栽、愛知県安城市との交流事業の拡大などを紹介。村に関わる各機関との連携による「知的資本と出会える村づくり」の推進に向け、今後の活動展開への協力を求めた。
関係者らは研究に対する理解を深め、課題について関心を高めていた。
◎写真説明:根羽村と信大との連携協議会