飯田市上郷飯沼の飯田女子高校で、3年生を対象に魚のさばき方を指導する家庭科の特別授業が行われている。初日8月30日には1組約30人が、「峡泉」(川路)料理長の小池清志さんからサンマのさばき方や調理方法を学んだ。
フードデザインの授業の一環で、小池さんをメイン講師に迎えて初めて実施。旬の魚のさばき方の実習を通して、食品の衛生的な扱い方や味付け、段取りを学ぶとともに、プロの料理人の思いに触れることで食に対する考え方を深めようと、
授業に取り入れた。
献立は、サンマのパン粉焼きと混ぜご飯、かきたま汁の3品。5班に分かれ、混ぜご飯用のサンマをオーブンでグリルする間、小池さんがさばき方を実演した。
パン粉焼き用に3枚おろしの方法を説明。腹に切り込みを入れて内臓を取り出し、水道で洗う際は「身が壊れやすいので優しく扱って」「水っぽくなるので洗った後は布で水分をふき取るように」などと語った。
続いて1人1尾ずつ実践。ほとんどの生徒が魚をさばくのは初めてで、包丁の刃が骨に引っかかったり、「どこまで切ればいいのかな」ととまどう姿が目立った。
小池さんはそれぞれの班を見て回り、刃を入れる位置を確認したり、骨に身が残らないよう切り方をアドバイス。「最初はそんなもの。やっていくうちにうまくなる」と励ました。
調理が終わると、小池さんが料理人としての仕事のこだわりについて紹介。季節ごとに体に合った食材を取り入れ、器や盛り付けにもこだわって、目と舌で楽しめる料理を提供することを目指していることを語った。
魚のさばき方を学ぶ特別授業は9月まで実施。3年生計5クラスが参加する。