飯田市鼎名古熊の県立下伊那農業高校食品化学科の1―3年生の120人が5月30日、校内の茶畑で茶摘みをした。1人500グラムを目標に先端の新芽と若葉を次々と摘み取り、31日は製茶作業もした。
開設当時から約30年間にわたって茶を栽培する同科の伝統行事。食品製造の授業で取り組み、現在は15アールの茶畑で約1500本のやぶきた茶を育てている。
雨の影響で遅れて新芽が伸びたため、生徒たちは一芯三葉ならぬ「一芯二葉」の要領で摘み取り。次々と若葉に手を伸ばし、腰かごに集めた。
1年生の丸山実華(みか)さん(15)は「摘んだ茶葉が、どんな味の茶になるか楽しみ」。課題研究で製茶や加工など茶の使途拡大を探る3年の飛矢崎佑香さん(17)は「茶の魅力を地域でもう一度見直し、生産者が増える提案をしたい」と話した。
浜松市のメーカーや中根園の協力を得て製茶し、6月中にもオリジナル銘柄の「稲丘茶」を仕上げて学校やイベントなどで販売する。
担当の清水茂子教諭は「収穫から加工、お点前(煎茶道)まで経験することで、地元特産の茶に親しんでもらえれば」と話していた。
食品科学班の生徒らは、昨年に続いて“出張”も行い、生産されなくなっていた同市川路の茶畑でも作業をした。